相続

* 実績については、ご了解頂いた一部案件のみを抜粋してお載せしています。

常陽リビング10月9日号掲載 弁護士・星野学のくらしの法律『いらない土地の処分について』


相続した使う予定のない土地がなかなか売れません。草刈りや固定資産税の負担もあるので無料でも良いから手放したいのですが、何か良い方法はありますか。


令和3年4月に「相続土地国庫帰属法」が成立しました。2年以内の施行とされており令和5年には同法に基づき、相続又は遺贈により土地(農地・森林等も対象)の所有権を取得した相続人がその土地を国にもらってもらえる「相続土地国庫帰属制度」が始まる予定です。

この制度を利用することで、不要な土地を処分することができます。不使用の土地でお困りの方には朗報かもしれません。

もっとも、この制度を利用するためには手数料を払って審査を受けなければなりません。建物が建っている、他人が道路等で使用している、土壌が汚染されている、境界が不明確、崖などで管理に多大な費用がかかるなどという場合には審査に通りません。

また、審査に通ったとしても国に10年分の土地管理費相当額を支払わなければなりません(具体的な金額はまだ決まっていません)。制度を利用する際のハードルは高そうですが、土地処分の選択肢のひとつとして、今から情報収集をしておいても良いかも知れません。

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常陽リビング2021年10月9日号

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常陽リビング1月16日号掲載 弁護士・星野学のくらしの法律『死後事務委任契約について』

常陽リビング2021年1月16日号


私には配偶者も子供もいません。自分が死んだ後のさまざまな手続きはどうしたら良いのでしょうか。


アパートや携帯電話など各種契約の解除、葬儀・納骨、遺品の整理、ブログ、SNSのアカウントの削除など、人が亡くなった後にはさまざまな手続きが必要となります。

その一部は遺言書を残すことで対応できますが、すべてを遺言書で対応することはできません。

「自分が死んだ後に周りに迷惑を掛けたくない」と思っても、家族がいない単身者(おひとりさま)は相続人による手続きが行われません。また、知人あるいは家族に自分の持ち物・パソコンのデータを見られたくないとして、遺品の整理を他人に任せたいという場合もあります。

そこで、生前に自分が死んだ後のさまざまな手続きを他人に依頼する「死後事務委任契約」を締結しておくケースが増えています。もっとも、まだ一般的な契約ではないため、誰とどのような契約をしたら良いのかわかりにくいのが現状です。もし気になるようでしたら、必要があるかどうかも含めて弁護士に相談してみてはいかがでしょう。

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常陽リビング7月18日号掲載 弁護士・星野学のくらしの法律『法務局における自筆証書遺言書保管制度について』


遺言書を自分で書こうと考えていますが、作成した遺言書の管理が不安です。何か良い方法がありますか。


令和2年7月10日から「法務局における自筆証書遺言書保管制度」が開始されました。

これまでは亡くなった方が書いた遺言書(自筆証書遺言)では、遺言書が見つからなかった、一部の相続人により隠されたり偽造されてしまった、そもそも遺言書があることを誰も知らなかったなどと、遺産の相続・分割に支障が生じる場合がありました。

そこで、法務局が自筆証書遺言を保管・データ化し、相続人等が遺言書の交付を請求できる新制度を開始したのです。

もっとも、自筆証書遺言が法的に有効であると認められるためには、作成時に本人に十分な判断能力があるか、所定の形式が守られているかなど作成前に検討すべきことがあります。

そこで、自筆証書遺言を作成する場合には、専門家である弁護士にアドバイスを求め、文案を作成してもらうことをお勧めします。

あるいは「公正証書遺言」というもっと確実な制度もありますので弁護士に相談してみましょう。

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常陽リビング10月8日号掲載 弁護士・星野学のくらしの法律『遺言と遺言執行者』

Q
遺言を残そうと考えていますが、私亡き後に遺言通りになるのか心配です。何か良い方法はありますか。

A
遺言書が残されていても、実際の手続きをどう執行していけばよいか分からない場合や、何か事情があって遺言の内容がスムーズに実現されないケースも考えられます。

そこで、遺言内容の実現のために必要な行為や手続きをする「遺言執行者」を遺言で指定しておく方法があります。

例えば、財産を相続人以外の人に残す場合、あるいは財産を第三者に寄付するような場合、相続人からすれば自分がもらえるはずの財産を他人に渡すことになるので、遺言執行者に対応してもらう方が確実です。

複数の相続人の間で財産を分配する際も、遺言執行者という第三者を関与させることで相続人の感情的対立を防止する効果も期待できます。また、遺言で子どもを認知したり、相続人の身分を喪失させる行為(廃除といいます)などは、遺言執行者のみが執行できる手続きになります。

遺言で遺言執行者を定めていない場合には家庭裁判所が遺言執行者を選任しますが、あらかじめ信頼できる人物を遺言で選任しておく方が安心だと思います。

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常陽リビング2016年10月8日号

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常陽リビング10月12日号掲載 弁護士・星野学のくらしの法律『婚外子(非摘出子)の相続分について』

民法は婚姻関係のない両親から生まれた「婚外子(非摘出子)」の相続分について「法律婚の子(摘出子)の2分の1」と定めていました。

しかし先日、最高裁判所は当該規定は法の下の平等を定めた憲法に違反しているので「無効」であるという判断を下しました。

簡単にいえば父親が死亡した際の遺産相続にあたり、正妻の子どもと内縁の妻もしくは事実婚などの子どもも平等に扱われるべきということです。

この最高裁の結論については子どもの立場から見れば当然の判断であるという評価と、婚姻という善良な風俗・伝統を無視する不当な判断であるという評価に分かれています。

しかし、結論の当否はともかく、最高裁の判断に従った法改正がされることは確実です。そのため心当たりのある方で、例えば遺産分割において紛争を避けたい、事業をスムースに長男に引き継がせたいというような希望がある場合、あらかじめ生前贈与をするなどの遺言を作っておく必要が出てきます。

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