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常陽リビング12月12日号掲載 弁護士・星野学のくらしの法律『刑事裁判を欠席するとどうなるのか』


悪いことをして刑事裁判になっていながら勝手に裁判を休んでしまう人がいますが、そんなことが許されるのでしょうか。


身柄を拘束されずに起訴された場合(在宅起訴)や保釈されている場合、被告人は自分の家から裁判に出頭することになります。

もちろん、逃亡を図りそうな人はあらかじめ身柄が拘束されているので、被告人が裁判に出頭しないケースは滅多にありません(たまに日時を勘違いして裁判に来ない人はいますけど…)。

法律上は被告人が裁判に出頭しないと裁判を開けないことになっています。したがって、この場合、裁判官は裁判を延期せざるを得ません。それじゃあ休んだ人の勝ち?かといえば、そんなことはありません。正当な理由もなく裁判に出頭しない被告人に対しては、「勾引」(こういん)といって身柄を拘束して裁判を受けさせる手続きがあります。

ちなみに、被告人ではなく召喚を受けた証人などが正当な理由もなく裁判に出頭しない場合には過料・罰金という制裁がありますが、被告人には罰則はありません。不公平にも感じますが、きっと、いいかげんな被告人には厳しい判決という制裁がくだされるからでしょう。

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常陽リビング2015年12月10日号

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