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常陽リビング9月10日号掲載 弁護士・星野学のくらしの法律『疾患・体調不良と交通事故の刑事罰について』


病気や体調不良でやむなく交通事故を起こしてしまった場合でも犯罪として処罰されるのでしょうか?


基本的に病気・体調不良は、刑事処罰をまぬがれる理由にはなりません。

自動車運転死傷行為処罰法では「自動車の運転に支障を及ぼすおそれがある病気」の影響で事故を起こして人を死傷させた場合には、アルコールや薬物の影響で事故を起こした場合と同様に処罰するとしています。

これは、意図せず事故を起こした場合より、事故を起こす可能性があることを知っていたのに敢えて車を運転して事故を起こした方が悪いという価値判断に基づきます。

具体的な病気としては、再発性の失神、低血糖症、そううつ病、睡眠障害、一部の精神疾患などがあげられます。

もちろん、適切な治療や服用をしていれば車を運転することも許されますし、病気・体調不良で事故を起こせば全て犯罪として処罰される、あるいは刑務所に入れられるというわけではありません。

しかし、病気・体調不良が原因で自分は全く悪くないという言い分は通らないということです。

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常陽リビング2022年9月10日号

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