常陽リビング

* 実績については、ご了解頂いた一部案件のみを抜粋してお載せしています。

常陽リビング10月9日号掲載 弁護士・星野学のくらしの法律『いらない土地の処分について』


相続した使う予定のない土地がなかなか売れません。草刈りや固定資産税の負担もあるので無料でも良いから手放したいのですが、何か良い方法はありますか。


令和3年4月に「相続土地国庫帰属法」が成立しました。2年以内の施行とされており令和5年には同法に基づき、相続又は遺贈により土地(農地・森林等も対象)の所有権を取得した相続人がその土地を国にもらってもらえる「相続土地国庫帰属制度」が始まる予定です。

この制度を利用することで、不要な土地を処分することができます。不使用の土地でお困りの方には朗報かもしれません。

もっとも、この制度を利用するためには手数料を払って審査を受けなければなりません。建物が建っている、他人が道路等で使用している、土壌が汚染されている、境界が不明確、崖などで管理に多大な費用がかかるなどという場合には審査に通りません。

また、審査に通ったとしても国に10年分の土地管理費相当額を支払わなければなりません(具体的な金額はまだ決まっていません)。制度を利用する際のハードルは高そうですが、土地処分の選択肢のひとつとして、今から情報収集をしておいても良いかも知れません。

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常陽リビング2021年10月9日号

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常陽リビング9月11日号掲載 弁護士・星野学のくらしの法律『コロナ禍でのローン減免制度について』


新型コロナウイルスの影響で収入が減りローンの返済ができなくなってしまいました。自己破産や個人再生という方法があるようですが、どちらを選べば良いのでしょうか。


自己破産や個人再生を選ぶ前に「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」に基づくローンの減免制度の利用を検討してはいかがでしょうか。

自然災害?と思われますが、当該制度には新型コロナウイルスに関する特則があります。

個人や個人事業主が新型コロナウイルスの影響で住宅ローンや事業に関する借入れ、その他のローンなどの返済が難しくなった場合、簡易裁判所の民事調停という手続きを利用してローンの減免を受ける制度です。

この制度は自己破産とは異なり、
▽自宅を失わなくて済む場合がある
▽ブラックリスト(信用情報)に登録されない
▽保証人に請求がいかない
といったメリットがあります。さらに、無償で弁護士等専門家の支援を受けることもできます。

ただし、最も借入額が多い債権者から制度利用に同意を得る必要がありますし、一定額の債務返済は必要なので全く収入のない人の利用は難しいといった制限があります。制度を利用できるかどうかなどについては事前に弁護士などに相談されることをお勧めいたします。

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常陽リビング2021年9月11日号

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常陽リビング7月31日号掲載 弁護士・星野学のくらしの法律『75歳以上の方の免許更新方法変更について』


高齢者の運転免許証更新手続が厳しくなるという話を聞いたのですが、どのような内容なのでしょうか?


現在、75歳以上の方は免許更新手続にあたって高齢者講習等の受講および認知機能検査をする必要がありますが、今後の改正道路交通法施行に伴い(令和4年6月までには導入予定と言われています)、一定の違反歴のある方は更に「運転技能検査(実技検査)」の受検が加わり、実技検査にパスしないと免許の更新ができず免許証を失うことになります。

交通違反をした全ての方が対象となるわけではなく、75歳以上で対象となる違反行為をした方に限られます。その対象となる違反行為は、信号無視や速度超過、携帯電話使用などのほか、通行区分違反や通行帯違反、安全運転義務違反など違反内容が分かりにくいものもありますので注意が必要です。

もちろん、常に交通ルールを守り、歩行者などに配慮した運転をしなければいけませんが、実技検査を受けずに免許を更新したいのであれば、さらに安全運転を心掛ける必要があるでしょう。

なお、違反歴がなくても75歳以上の方は認知機能検査を受検する必要があることは今までと変わりません。検査で認知症のおそれありとされ、医師によっても認知症と診断されれば免許が停止・取消しとなることがあります。免許更新手続は数年おきにしかなく、本人では認知症に気付きにくいため、高齢者の運転については家族が日頃から気を配る必要があります。

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常陽リビング2021年7月31日号

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常陽リビング6月12日号掲載 弁護士・星野学のくらしの法律『茨城県における「住居侵入窃盗」について』


茨城県は空き巣が多いという話を聞きますが、本当なのでしょうか?


残念なことに、茨城県は住居侵入窃盗(空き巣)の犯罪率(人口10万人当たりの犯罪認知件数)が6年以上連続で全国ワーストです。

原因として、住宅が密集していない地域が多いため、周囲の人の目が届かないことや、反対に人口が密集している地域では都市化に伴う住民同士の無関心などを指摘する方もいます。

しかし、実際は鍵のかけ忘れが多いという印象です。

最近の空き巣は、スーツを着てセールスマンのようにインターホンを鳴らし、留守であれば空き巣に入り、誰かが出てくれば道に迷った振りをするといった手口も多いようです。そのほか、裕福な家庭がSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)に旅行中の写真をアップしたところ、家にいないのが分かってしまい空き巣に入られたというケースや、どこかでうっかり自宅の鍵のメーカーと番号をメモされてしまい、インターネットで合鍵を作られ空き巣に入られたという例もあります。

空き巣防止には、鍵のかけ忘れに注意するのはもちろん、個人情報の管理も必要な時代だと思います。

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常陽リビング2021年6月12日号

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常陽リビング5月8日号掲載 弁護士・星野学のくらしの法律『最近の「借金」事情について』


高収入でもなく余裕がないはずなのに、子どもがいろいろな物をたくさん購入しています。借金はしていないと言いますが心配です。


ネットやアプリを利用することで新品や中古品を安く購入できるようになりましたが、一方で新たな「借金」が増えているともいわれています。

欲しいものがあるけれどお金が無い。そのような時に若い方の中には、安易な解決方法として、今買って支払いは翌月にする「翌月払い」や購入金額にかかわらず毎月の支払額が変わらない「定額払い」というサービスを利用される方がいるようです。

しかし、翌月払いは購入日から実際の支払日までの利息が加算されている場合や、定額払いも支払をしていない部分に高い利息が加算されている場合があります。

「借金」や「利息」とはっきり書いてなくても、本来の支払額に手数料やシステム利用料などの名目で金額が上乗せされているのであれば、結局はお金を借りて利息を払っているのと同じです。

物を買うときに「借金」や「利息」を意識させないのは、企業にとって上手な方法です。しかし「うまい話には裏がある」という言葉を思い出し、便利なサービスを利用する前にその仕組みを確認することをお勧めします。

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常陽リビング 2021年5月8日号

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