最新情報

常陽リビング12月9日号掲載 弁護士・星野学のくらしの法律『遺言を作れない場合について』

Q
「相続争いを避けるため、父親に遺言書を作ってもらいたい」と弁護士に相談したところ「残念ですがお力になれません」と言われてしまいました。どうしてでしょうか。

A
失礼ですが、お父様は深刻な認知症ではありませんか?遺言の多くは「私が死んだら◯◯の財産は◯◯に譲る」など財産の処分に関するもので、内容を正確に理解する判断能力が必要になります。

そのため、深刻な認知症が原因で正常な判断能力が失われていたり、脳梗塞により意識障害の状況にあるなどの場合には遺言を作ることができなくなります。担当の弁護士は面談の際にお父様の遺言作成能力がすでに失われていると判断し、「お力になれません」と答えたのだと思います。

確かに遺言は自らの「死」を前提に作成するものであるため、心理的に向き合いにくいものです。しかし遺言の作成には、いわば「時間制限」があると考えて動くことが必要です。

なお、早めに遺言を作成しても、その後気が変わった場合は何度でも書き直せますので、ご心配は無用です。

お役に立ちましたか?

 

 

カテゴリー: 常陽リビング  タグ: , ,  

コメントは受け付けていません。